1冊終わらせたはずなのに、全然英文法の知識が身につかないという人、多いですよね。進みが遅すぎるんです。
今回は「英文法が苦手な人のための攻略法」について話していきたいと思います。9月になると、文法が苦手な人が本当に多い。
「英文法が全然解けない」という人、たくさんいますよね。じゃあどうすればいいのか、その解決策を伝授していきます。
大学入試において英文法って、「完成すれば終わり」というものじゃないんです。
実は研究し始めたらキリがない。でも一応、大学入試までは「ここまでできていればOK」というラインはあるんですよね。
そこに到達できない人たちの特徴について、ちょっと話していきたいと思います。
「全然英文法の知識が身につかない」という人たち、何かしら勉強はしてるんです。
例えば、先生の英文法講座だったり、大岩先生のすごく基礎的な英文法書を勉強したり。
そこから読解のための英文法に進んで、ポラリス1だったり、ワンネクステ、ヴィンテージみたいな問題集を始めてるんだけど、それでも全然できるようにならない。「全く解けないです」「一冊終わらせたはずなのに」という人が本当に多いです。
よく、「夏までに単元別の勉強は終わらせておきなさい」と言われますよね。でも、実際には終わらない人がほとんどなんです。
結局どうなるかというと、今ごろからヴィンテージやネクステのような単元別問題集を始めている人がたくさんいる。
では、まず最初に「できない人たちの一番の特徴」について。それは――進むのが遅すぎる。とにかく遅いんです。
進みが遅すぎると、どうなるか。
予備校とかで、週に1回しか授業を受けていないという人も多いですよね。
そういうペースだと、いつまでたっても知識が定着しないんです。
たとえば、今から英文法の勉強を始めるとして、大岩先生の本を1か月ぐらいかけて終わらせるわけですよね。
文型、自制、準動詞、関係詞…というふうに順番にやっていく。
でも、遅すぎるから、関係詞に入るころにはもう文型や自制の内容を忘れちゃってる。
仮定法に入るころには、準動詞の内容も頭から抜けてる。
そうなると、どうなりますか?
「よし、一冊終わった!超基礎はできたから、これから問題演習だ!ポラリス1、自制の問題だ!」
――ってなったときに、もう忘れてるんですよ。自制をやったときはちゃんと覚えていたのに。
授業も受けて、「時制の授業、すごい分かりやすかった!完全にマスターした!」って思ってたのに、
いざ問題演習に入ったら、すっかり忘れてる。
それでも、一生懸命やるわけじゃないですか。問題を解きながら、また思い出していく。
「そうそう、自制ってこうだったよな」って復習しながら、なんとかポラリス1を終わらせて、
「やった、仮定法も終わった!文型も終わった!」――って言って、次のレベルに入ったときには、また最初の自制を忘れてる。
これじゃ、いつまでたっても前に進めない。
9月、つまり2学期からは、普通は出題形式別の問題に移っていく時期なんです。
単元別だと、「あ、ここto不定詞の単元だから、不定詞が正解だな」ってパターンになりがちですよね。
でも実際の入試問題って、出題がバラバラなんですよ。
ポラリスには「ファイナル」っていう出題形式別の問題があるけど、実際にはどんな文法が出てくるか分からない。
そのときにまた、自制を忘れてる。準動詞も忘れてる。
準動詞の問題が出たら解けない――これの繰り返しなんです。
「参考書は終わった」と思ってるんだけど、終わってるのはあなたの知識なんですよ。
これは、本当に見ててよく思うこと。
僕、予備校で上のクラスを担当することが多かったから、英文法ができる人を見ることが多かったんです。
でも、今はいろんなレベルの生徒を見るようになって、特に一人ひとりを見る機会が増えて、
「英語の得意・不得意以前に、これが問題なんだな」と思うようになりました。
もちろん、勉強しなきゃいけないのは英語だけじゃない。
学校があれば、夏休みの宿題があるし、中間テスト・期末テストもある。
それに時間が取られて、英語の勉強がどうしても遅れる。
「ネクステやっても解けない」「出題形式別に入っても解けない」
――っていうケースが、本当に頻発してるなと今見ていて思います。
「自分は長文さえできればいいから」って思ってる人もいるけど、長文の中にも文法問題は出てくる。
そもそも英文法ができないと読めない文だっていっぱいあるんです。
だから太刀打ちできない。
これが、英文法ができない人・文法問題が解けない人の「特徴1」です。
とにかく進みが遅すぎる。だからペースを上げなきゃダメ。本当に。
1週間とかで基礎的な内容は終わらせるべき。
そして、問題演習も同じようなスピードで終わらせていかないと、知識は忘れていく。
これが、本当に大事な気づきでした。
速度、大事ですよ。なめないでください。
自分の記憶力、分かってるでしょ?どうせ忘れちゃうんだから。
だから、何度も出会わないといけない。
何度も何度も出会わないと、忘れちゃうんです。
だから「復習は大事」です。
そして、またその単元に出会わなきゃいけない。
出題形式別でやっていても、何度も出会わないと忘れていく。
これが「出会いを増やしなさい」と言う理由の1つなんです。
英文法が苦手な人の特徴とその原因
とにかく、やっぱり知識不足による支援の遅れなんですよね。これがどんどん積み重なっていくことで、英語との出会いの機会がなくなっていき、記憶に残らなくなってしまう。これこそが、英文法が苦手な人の大きな特徴だと思います。どうですか? こういう話って、あまり言われていないですよね?
「あ、確かにそうだな」と思った人は、ぜひ一度反省してみてください。
自分勝手なルールを作ってしまう
続いて、僕が強く感じているのは、「ルールを勝手に作りがち」な人が多いということです。自分で勝手にルールを決めてしまうんですよね。
たとえば、「こう来たらこうだ」と決めつけてしまう。そういうルールを作っちゃう人、よくいますよね。SVCを勉強して、次にSVOを学んだら、もうSVOしか見えなくなる。SVCが来ているはずなのに、副詞が来ているはずなのに、全部SVOって書いちゃう。
たとえば、go home を VO(動詞+目的語)で書いてしまう人。
あるいは、”He is the doctor” を SVO(主語+動詞+目的語)って書く人。
これも、「Vが来たら次はOだ」というルールを、頭の中で勝手に作ってしまっているからなんです。こういう人は非常に危険です。
これは「過剰般化(Overgeneralization)」と言います。
自分の中で勝手にルールを作って、それを一般化してしまうんです。
質問から見える“過剰な一般化”
実際、こういうタイプの質問って本当に多く受けるんですよ。「どういうこと?」ってなるようなやつです。
たとえば、「most of the ~」や「most名詞」という表現ありますよね。「ほとんどの~」という意味で使うやつです。これ、「ofの後ろにはtheが必要だ」と教わるわけです。
で、その結果、「ofの後ろには絶対にtheが来る」と思い込んでしまう人が、ものすごく多いんです。
実際に、「ofの後ろにはtheが来るんじゃないんですか?」って質問されることがあります。
これは、たとえば、「the+名詞」に「of」がかかるような場合、たしかにtheが付くことが多いんです。ofが名詞を修飾する場合ですね。
つまり、「限定のthe」とか「予告のthe」とか言われたりしますが、まあそういう時にはtheを付けた方がいいケースが多い。
だから英作文の際なんかでも、「付けといた方が無難だよ」ってアドバイスするんですけど、それに対して「え、ofの後ろにはtheを付けるものじゃないんですか?」みたいに返されることがあるんです。
へっ!? ってなりますよ。
でも、ある時ふと気づいたんです。「あ、この人たち、ルールを一般化しちゃってるんだな」って。
関係代名詞や不定詞でも…
こういうケースって本当に山ほどあります。
たとえば、関係代名詞を勉強して、「目的格は省略できる」と習ったとしましょう。すると、今度は主格まで省略しちゃう。もちろん、できる場合もありますよ? でも、何でもかんでも主格まで省略してしまう人が出てくるんです。
こちらからすると、「えっ、なんで!?」ってびっくりすることがあるんですよ。
あるいは、「未来のことを表す場合は不定詞(to不定詞)を使う」って習うと、今度は何でもかんでもtoにしちゃう。
avoid(避ける)なんて、まさにその典型です。
「これから避けるんだから、toを使うんでしょ?」って思って、”avoid to do” って書いちゃう人、めっちゃいます。
でも、これは “avoid doing” が正解なんですよ。
あるいは、”refuse to do”(~するのを拒む)を見て、”reject” も同じだと思って “reject to do” にしちゃう。でも正しくは “reject doing” なんです。
もう何でもかんでもルールを一般化して使ってしまう。これは本当に危険です。
こういう過剰な一般化を突いてくる問題、たくさんありますからね。
だから僕はよく言ってます。「勝手にルールを作らないで!」って。もう何度も言ってます。
品詞の理解不足が根本原因
そして最後に、やっぱり品詞の理解ですね。
これが、いつまでたっても覚えられない人が本当に多い。
名詞・形容詞・副詞の役割。これはTOEICでも同じですが、どういう働きをするのかが分からないままで、結局構文が取れずに終わってしまう。
この間も、武田塾の先のマークが言ってたんですけど、「なんとなくは分かるけど、文が塊になると分からなくなる」って。
SVOCの振り分けができない。
区と節、塊で「ここがO(目的語)になる」とか、「ここがC(補語)になる」とか分からない。
でも、そこが分からないとダメなんです。
塊で名詞になるとか、塊で形容詞になるとか。そういう「語句のまとまりとしての品詞」を理解できないと、文の構造が見えなくなってしまう。
ほとんどの人は、ここで終わっちゃうんです。
中学2年生の英文法じゃないんですよ、これは。何度も言ってますけど、大学で勉強してる人や、英語の先生になろうとしている人でも、ここでつまずいている人が本当に多い。
そして、教える側になって初めて、「あ、自分は分かってなかったんだ」って気づく人も多いんです。
やっぱり、「塊で名詞」とか「塊で形容詞」っていうのが見えないと、次に進めないんですよね。
今お話しした内容が、英文法においてつまずいている人たちを見て、僕がすごく感じていることです。もちろん、もっと細かく分ければ原因はたくさんありますが、主な原因はこのあたりかなと思っています。
最後に
どうですか、皆さん。他にもあると思います。
「自分はここでつまずいた」とか、「周りの人がこういうところで苦しんでいる」とか。
もしよければ、そういう経験をコメント欄でシェアしてください。
そして、まずは単語をちゃんと覚えること。
短いスパンで何度も繰り返し出会うこと。
そして、勝手なルールを作らず、書かれていることを忠実に理解すること。
そのときに、「品詞の役割」や、「塊・節の働き」がちゃんと分かるように意識して勉強してみてください。
そうすれば、一気にできるようになります。
そして、何より大事なのは「自分で説明できるようになること」です。
ただ、「分かりやすい授業だったな」とか、「参考書読んで分かった気がする」だけじゃダメです。
「分かった気」にならないように気をつけてください。
自分で解ける、自分で説明できるようにならないと、初見の問題には対応できませんからね。