実際に成長を生むために何が必要なのか
それは、「息を吸うように英語学習を継続できる状態を作り上げること」。ここが非常に重要なんですね。
「努力」だと感じる、このスタンダードを高めていかないと、皆さんの中長期的な成長は望めないということです。
そして、これに大きく寄与してくれるのが“習慣化”なわけですね。
例えば私の場合、英語を勉強し始めた当初には、最終的に英語を使って仕事をしたいという長期目標がありました。
では、英語で仕事をするにはどうすればいいのか。こんなふうに、長期目標から短期目標へと逆算して設定していくと、一定期間、本気でコミットして学習したあとに、もし学習をやめてしまったとき、「自分はやるべきことをやっていないんじゃないか」と感じる“罪悪感”が出てくることってありますよね。
言い換えれば、この罪悪感が出てくるというのは、学習することが“当たり前”になっているということなんです。つまり、「息を吸うように学習ができている」「自分の努力と基準が上がった」ということです。
こんにちは。今回は「習慣化」というテーマでお話ししていこうと思います。
英語学習において、確かに学習法や教材といったものも重要な要素です。しかし、私は英語学習全体の成長を見たとき、その8割程度は「習慣化できているかどうか」で決まってくると感じています。
教材を買ったはいいけれど、結局すぐにやめてしまったり、教材ばかりが増えてしまって、最終的にこの数年を振り返ったときに、「なかなか自分は成長できていないな」と感じている方も、この動画を見ている方の中には多いのではないでしょうか。
そこで、「実際に成長を生むために必要なことは何か?」——それは、“息を吸うように英語学習を継続できる状態を作ること”なんです。ここが非常に重要なポイントです。
成長できる人というのは、勉強にしても仕事にしても、「やらなきゃ」とは思っていません。当たり前のように、まるで息をするように、自然に仕事や勉強をしているわけです。
つまり、言い換えると、「努力」だと感じるこのスタンダードを高めていかないと、皆さんの中長期的な成長は得られないということです。
そして、これを支えてくれるのが“習慣化”です。
今回の動画では、この習慣化をつくるための3つのステップをお伝えしていこうと思います。
この習慣化作りのプロセスでは、「快感」と「罪悪感」をうまく組み合わせることで、中長期的に“息を吸うように当たり前に勉強できる状態”を作っていきます。
今回の動画の内容は、分かりやすくPDFのテキストにまとめてあります。こちらは公式LINEでお配りしています。
「習慣化」というキーワードを入力していただければ、受け取ることができますので、ぜひご活用ください。
それでは、習慣化のステップ3つを見ていきましょう。
ステップ1:長期目標と短期目標を立てる
まず1つ目のステップは、「長期目標と短期目標を立てる」ということです。
これは、長期目標を達成するために必要なマイルストーンを、短期目標として設定していくようなイメージです。
長期目標というのは、1年後・2年後といった長いスパンで、自分がどんな状態になっていたいのかということを、できる限り具体的に設定してください。
英語学習をしている皆さんは、最終的には“英語を勉強している状態”から、“英語で何かをする状態”を目指しているはずです。ですから、そこをより具体的にイメージした上で、長期目標を立ててみてください。
たとえば私の場合、英語を勉強し始めた当初には、「最終的に英語で仕事をしたい」という長期目標がありました。
では、英語で仕事をするにはどうすればいいのか?——英語で何かを学んだという実績をつくる必要がある。そのためには、教育機関に入る必要がある。そのためには、英語力を伸ばす必要がある。
では、その英語力の指標としては何があるのか?——このように、長期目標から逆算して、短期目標を立てていくわけです。
私のケースをもう少し具体的にお話しすると、大学生のときに「最終的にオーストラリアで働きたい」と思いました。
では、オーストラリアで働くには何が必要なのか? 調べますよね。すると、「永住権を取得する必要がある」ということが分かりました。
では、永住権を取るには何をすればよいのか?——さらに調べると、「特定の職種で働く必要がある」ということが分かりました。
では、その中で自分が興味のある職種は何か?——「会計士」という選択肢が出てきました。
それなら、会計士になるにはどんなバックグラウンドを自分で作っていけばよいか?——「会計を英語で学べる環境に飛び込む必要がある」と判断し、オーストラリアの大学院に進学する決断をしました。
そこから、米国公認会計士の勉強も始めました。
これらを始めるためには、当然ある程度の英語力が必要になります。では、どれくらいの英語力が必要なのか?
たとえば、オーストラリアの会計大学院で求められる英語力の基準を見ると、TOEFLでおよそ100点、IELTSで7.0以上とされています。
そのため、私はTOEFL100点を目指すことにしました。
ただ、いきなりTOEFLで100点を目指すのはギャップが大きすぎるため、まずは短期目標・マイルストーンをひとつひとつ立て、それをクリアしていくことで、その最終目標に到達するようにしました。
そのために私は、TOEIC900点、英検1級といった目標を立て、それらをクリアした後に、最終的にTOEFL100点以上を達成しました。
このように、長期目標から短期目標へと逆算して設定していくことで、「なぜ自分は英語学習をしているのか」が具体化されます。
その結果、自分の英語学習を継続する目的が明確になり、継続しやすくなるのです。
2つ目のステップは、「やるべきことを定め、1週間の計画を立て、それをプロジェクトとしてやり切る」というものです。
たとえば、3ヶ月後にTOEICで900点を取るという目標を立てたとします。その場合、現状から900点までのギャップを埋めるために、自分がやるべきことは何なのかを洗い出します。
今回は話を単純化して、自分には語彙力が足りないと仮定します。まずは語彙を強化し、その語彙がしっかり定着した段階で過去問を繰り返し解くというシナリオを立てたとします。その場合、優先順位が高いのは語彙なので、まず語彙を仕留めるために何をすべきか、どれくらいの期間でどれくらい進めるべきかを考えていきます。
たとえば、「1ヶ月後までに選んだTOEIC用の単語帳を10周し、最低でも8割程度は暗記する」という想定で進めるとします。すると、1日あたり何語覚えれば1ヶ月で10周を完結できるのかが見えてきますよね。
このように、自分がやるべきことから逆算して得られた「1日あたりにやるべき具体的なタスク」を、今後の1週間の計画の中にプロットしていきます。
私の場合は、ノートの中に1週間分、7つのボックスを作り、1つひとつのボックスにやるべきタスクを記載していました。
この計画を立てる際に意識していたポイントは3つあります。
1つ目:タスクはできるだけ「荒く」作る
1日の中でやるべきタスクを、細かく作りすぎないことが大事です。タスクを詳細にしすぎると数が増え、意識が分散してしまいます。また、詳細なプラン作りに時間をかけすぎてしまい、肝心の学習時間が削られてしまうこともあります。
ですので、できる限りラフに、ざっくりとタスクを決めるのがポイントです。たとえば、私であれば、1日3時間の学習時間を取る場合、「2時間学習、1時間復習」というように、非常にざっくりとした形で計画を立てます。
こうすることで、タスクが2つしかないのでシンプルでわかりやすいですよね。
さらに、タスクの横には必ずチェックボックスを用意していました。これによって、終わったタスクにチェックを入れることができます。このチェックを入れる瞬間が意外と快感で、楽しくなり、学習の継続につながるという側面もあるので、おすすめです。
2つ目:1日あたりのタスク量は「やや多め」に
これは人によって好みがあると思いますが、私は「これ1日じゃ終わらないだろうな」と思うくらいの量を、できる限り詰め込むようにしていました。
そうすると、焦りが生まれるんですよね。「もっとやらないと間に合わない」といった気持ちが生まれ、その焦りが自分の学習に拍車をかけてくれるんです。つまり、自分に適度なプレッシャーを与えて、自分を追い込むことができるというわけです。
ただし、人によってはこのプレッシャーが空回りする場合もあるので、それは個人の好みに合わせて調整して大丈夫です。
3つ目:タスクごとに「報酬」を設定する
これは脳の報酬システムを活用した方法です。
たとえば「A、B、B」というタスクがあったとして、1つのタスクを完了したら、次に移る前に「コーヒーを淹れる」「手を洗いに行く」といった、ちょっとした自分がやりたいことを挟むようにしていました。
こうすることで、学習が快感になり、モチベーションを保ちやすくなります。
たとえば、私が大学生だったころは、ひとつのスターバックスで勉強したあとに、レシートを使って別のスターバックスに移動して「お代わりコーヒー」を頼むというルーティンをよくやっていました。
「このタスクを終えたら次のスタバに移れる」という報酬を設定していたんですね。この移動時間が良いリフレッシュにもなり、報酬があることで学習中のモチベーションが高まるんです。
これら3つのポイントを意識しながら学習計画を立てて、まずは1週間実行してみてください。この1週間を「自分の中のプロジェクト」だと考えて遂行するんです。
そして、この1週間のプロジェクトをやり切ることができると、自分に対する自信がつきます。さらに、1週間の取り組みによって成長を感じることができ、学習が快感になります。つまり、「学ぶことは楽しい」と感じられるようになるんです。
加えて、1週間やったあとに「やめる」という選択肢もありますが、ここでやめるのは非常にもったいないです。やらなくなったときに、「自分はダメな人間なんじゃないか」という罪悪感が生まれるようになります。
この動画をご覧になっている方の中にも、そういった経験がある方は多いのではないでしょうか。一定期間本気で学習に取り組んだあとに、やめてしまうと、「自分はやるべきことをやっていないんじゃないか」という罪悪感が湧いてくる。これが、再び学習を継続しようという意欲につながるわけです。
言い換えれば、こうした罪悪感が生まれるというのは、「学習することが当たり前になっている」という証拠です。つまり、息を吸うように学習できるようになったということ。努力の基準が上がったということでもあります。
3つ目のステップ:徐々に負荷を増やす
これは筋トレと同じです。徐々に自分ができることを増やすために、負荷(=学習量)を上げていきます。
たとえば、最初の週に1日3時間の学習をやり切ることができたとします。そしたら、次の週は「3時間+15分」、この15分の追加セットを入れていくんですね。
2週目が終わったら、次はさらに15分追加して「3時間30分」というふうに、徐々に学習時間を増やしていきます。
これによって、「つらいな」と感じる基準が上がり、自分の限界が広がっていくんです。
いきなり「1日5時間学習してください」と言われても、それはキツいですよね。でも、2時間、3時間から始めて、4週間〜5週間かけて少しずつ増やしていけば、5時間でも対応できるようになるわけです。
まとめ:3リステップで学習の習慣化と継続力を強化する
この3つのステップを実践することで、学習の習慣化と継続力を身につけることができます。
この「3リステップ」は、自分のやるべきことをプロジェクト化し、それを遂行し、報酬を設定して自分をレベルアップさせていくという、“ゲームのような感覚”で取り組める方法です。
努力を努力と感じない状態、つまり「息を吸うように学習を継続できる自分」を作るために、非常に有効なステップとなっています。
ぜひ実行してみてください。